プロフィールでも触れましたが、私は中国茶の茶芸教室に通っていた時期がありました。こちらは、当時書いていた日記を再編成して備忘録として残しておくシリーズです。自己満です。
そもそも「茶芸」とは
一言でいうと、中国茶のお点前。お茶を美しく淹れる表現のことです。
“中国茶版の茶道”というと分かりやすいかもしれませんが、日本茶道のイメージとは全く異なります。
茶道が精神性や所作の型を重視する「道」であるのに対し、茶芸はあくまでも「芸」。お茶を淹れる所作や表現方法は比較的自由にアレンジ可能でカジュアルに楽しめるのも魅力の一つです。
ちなみに、中国の簡体字「茶艺」の「艺」は繁体字だと「藝」。なので中国語では「茶藝」と書きます。
私が通った茶芸教室
茶芸教室の場所は東京都内でした。通っていた時期は私が社会人3年目の秋頃。
もはや遠い昔の思い出・・・
教室で茶芸を教えてくれるのは日本人の先生が一人。こちらで教えていたのは単に美しい茶芸ではなく、いかにして美味しいお茶を淹れるかを追求する茶芸でした。
この教室の教え方がドンピシャ私のツボにハマったのでした
そんな茶芸教室の備忘録、今回は初回ということで、初めて教室へ行った時に感じた茶芸の魅力を。
写真は当時のスマホで撮ったものなので画質がアレですが、雰囲気だけでも共有できたらと思います。
以下、当時の日記から抜粋です
所作が美しく、お茶はおいしい
教室に行ってみると、本当にステキな部屋でびっくりした。派手すぎず、地味すぎず、どこか厳かな雰囲気も醸し出されている感じがして・・・本当にステキな空間だと思った。
茶器がきれい。この写真じゃ伝わらないんだけど、淡くて柔らかい水色をしている。
この日、生徒さんは私を入れて4人。一人一人順番に先生が茶芸の指導をしてくれる。既に長い期間この教室でレッスンを受けている生徒さんは、レベルが全然違うと思った。
茶具を持つしぐさ、姿勢、視線、指先まで、全てが美しくて。
茶芸が上手なだけじゃなく、淹れていただいたお茶がまたおいしい。
それが本当にすごいと思った。美しい茶芸と、美味しいお茶を両立させるのはとても難しいと思っていたから。
私もあんな風に、淹れられるようになりたい。。
ステキだと思ったのは、茶芸はきっちりと作法が決まっているわけじゃなくて、機能的で美しいと思ったら、自分の感覚にまかせて自分で作法を作れるところ。
先生も、あくまでその人に合った方法で、もっと改善するとより良くなるところなんかを丁寧に指導していらっしゃった。
自分の茶芸に、自分の好みや“らしさ”を出せる。だから同じお茶を淹れるにしても、作法も味も、その人の個性があらわれる。
そうだそうだ。
そういうところが魅力的だと思っていたんだ。
一煎目のお茶は「実験」
私が淹れたお茶は台湾の高山烏龍茶。
私は結構後から渋みが出てくるようなボディ感のある味わいが好きなんだけど、このお茶は思うようには淹れられなかった。なんか薄っぺらい感じになっちゃう。もう少し抽出時間を長くすればよかったんだなぁ。。
大事なことを教えてもらった。
- 1煎目は実験。過去の経験や自分の感覚で淹れてみる。
- 2煎目は1煎目の様子を見て、狙いたい方向へ“ちょっと行き過ぎる”程度に淹れる。
- 3煎目は1煎目、2煎目の様子を見て、さらに調整する。2煎目よりは精度が上がっているはず。
味の濃さの確認は、必ずお茶の水色を見ること
大事なのは、いろんなお茶を淹れて、いろんな水色を見て、少しずつ自分の経験を蓄積すること。そして自分好みの味わいで淹れられるような感覚を身につけること。
私も自分の狙い通りにお茶をおいしく、美しく淹れられるようになりたいなぁ~。
ひたすらそんなことを思い続けた2時間。すごくステキな場所を見つけて、満たされた時間を過ごせて、まさに至福。
次回も楽しみ。
当時を振り返って今思うこと
この初回レッスンでラッキーだったのは、たまたま初心者と上級者が一緒にレッスンを受けていたこと。ここで上級者の美しい茶芸とおいしいお茶を体感することでモチベーションがぐぐっと上がったなぁと。
「私もこうなりたい」っていう目標ができたから、そこへ向かって続けられたんだと思う。
心が折れない程度にハイレベルな世界を知っておくのって本当に大事。