代表的な中国緑茶の一つである黄山毛峰について、特徴や産地、歴史・逸話などをまとめています。
黄山毛峰の特徴
- 黄山毛峰(こうざんもうほう / huang shan mao fong)
世界遺産となっている観光名所の黄山地区の広いエリアで生産されるお茶。長い歴史を持ち、伝統的な中国十大銘茶に数えられる。美しい茶葉を鑑賞するために耐熱ガラスで楽しまれることが多い。
形状 | 「霍舌」に例えられる細く少し曲がった形状 |
水色 | 透明感のある山吹色 |
香り | 爽やかさの中に炒った栗のような香ばしい香り |
味わい | 甘みとコクがあり芳醇な味わい |
黄山毛峰の産地
- 安徽省黄山市
黄山は安徽省と貴州省の間に位置し、高くそびえる奇峰や雲海などの自然風景が有名で世界遺産にも登録されている。地質がよく、気候も温暖で霧も多く出るため茶葉の生産に適した土地でもある。
海抜 | 700~1200m |
年間平均気温 | 15~16℃ |
年間平均降雨量 | 2000mm |
土壌 | 酸性、黒砂 |
黄山毛峰の歴史・逸話
- 明代1597年、許次纾が著した『茶疏』において歴史的銘茶の一つとして黄山茶の名を挙げている。
- 清代の『徽州府志』の中で「黄山茶は宋代、仁宗の嘉祐年間(1056~1063年)に初めて生産され、明代、穆宗の隆慶年間(1567~1573年)に盛んになった」との記載がある。
- 以上のような記述はあるものの、現代の黄山毛峰は清代の光緒年間に謝正安によって1875年頃から作られ始められたとされている。
- 芽が峰のように尖っていることから「毛峰」という名がついた。
- 主な産地は、黄山地区の桃山庵、松谷庵、吊橋庵、雲谷寺、慈光閣、および歙県東郷汪満田など。
- 中国緑茶の中では珍しく、「烘青」という高温の釜の中で茶葉を滑らせずに乾燥させる製法でつくられ、「烘青の雄」と言われる。
黄山毛峰を飲んでみた感想
黄山毛峰を実際に飲んでみた感想です。
2020年春(国内中国茶専門店B)
都内に実店舗のある中国茶専門店Bの安吉白茶です。
総評
3.3点
- 味わい:トップはほんのり甘く口の中で横に伸びる感じ。やや渋みが目立つ。
- 香り:茹でたインゲン豆のような香り
苦味:
渋味:
※苦味と渋味は少ないと5(高評価)
甘味:
コク:
香り:
- 外形:ややくすんだ黄緑色で白毫に包まれた芽もある
- 水色:白みがかった黄緑色
- 気づいたこと:抽出時間は短め(20~30秒くらい)でさらっと淹れるのがいいかも
蓋碗で飲んでみた感想
- 日付:2020年8月9日
- 茶器:蓋碗
- 茶葉の量:3.8g
- 湯温:90~95℃程度(沸騰させたケトルから直接注ぐ)
- 湯量:170ml
蓋碗を使って淹れた感想
- 1煎目淹れ方:沸騰させたケトルのお湯を使って、茶葉全体になじむまではゆっくり、後半はお湯がキラキラする速度で注いだ。40秒ほど待ってから抽出。
香り:ゆでたインゲン豆のような香り。
味わい:青い。舌を包み込んで横に伸びるような感覚。甘さはあまり感じない。渋みが出てしまったので抽出時間長すぎたかも。
- 2煎目淹れ方:肘を使ってお湯を太く早く注ぎ、蓋碗のフタで茶葉を優しく回した。40秒弱待ってから抽出。
味わい:トップにほんのり甘さを感じる。少し立体感が出た。ただ飲み終わった後は口の中がくっつくような感覚がある。苦味のようなものもほんのり。
- 3煎目淹れ方:お湯をほそーく、ゆ~っくり、茶葉の隙間に染み渡るように注いだ。40秒ほど待ってから抽出。
味わい:透明感、のどに当たるパワー、キレが出た。しかし飲み終わった後はすぐに口の中がくっつく感覚、渋みとほんのり苦み
- 4煎目淹れ方:二煎目と同じように太く早く注いだ。時間は20秒ほど。
味わい:ふわっと上あごに当たる立体感とやさしい旨味を感じる。口の中がくっつく感覚は今までで一番気にならない。これは良き。
抽出時間を短くした4煎目が一番おいしく感じました。
同じような淹れ方をした2煎目は渋味を感じてしまったのは抽出時間が長すぎたのと、蓋碗のフタで茶葉を回す際に茶葉をこすってしまっていたかもしれないのが敗因だと思います。
高温で淹れるなら抽出時間は短めにするのが吉!!