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【中国緑茶】太平猴魁の特徴、産地、歴史・逸話

この記事は約6分で読めます。

代表的な中国緑茶の一つである太平猴魁について、特徴や産地、歴史・逸話などをまとめています。

太平猴魁の特徴

  • 太平猴魁(たいへいこうかい / tai4 ping2 hou2 kui2)
太平猴魁 茶葉

黄山毛峰と並ぶ安徽省の銘茶。5~7cmと非常に大きく平たい豪快な茶葉が特徴。その見た目に反して、香りも味わいは上品で飲みやすい。耐熱グラスで飲むと美しい茶葉の姿も楽しめる。

形状5~7cmと非常に大きい扁平状の茶葉
水色透明感のある明るい若葉色
香り清涼感のある爽やかな香り。
独特の蘭の花のような
「猴韻(こういん)」がある
味わい芳醇でまろやか

太平猴魁の産地

  • 安徽省黄山市黄山区猴坑、猴崗、顔村一帯

黄山は安徽省と貴州省の間に位置し、高くそびえる奇峰や雲海などの自然風景が有名で世界遺産にも登録されている。地質がよく、気候も温暖で霧も多く出るため茶葉の生産に適した土地でもある。

海抜700~1200m
年間平均気温15~16℃
年間平均降雨量2000mm
土壌酸性、黒砂

太平猴魁の歴史・逸話

  • 太平猴魁は清代末期、1900年初めに作られ始めた比較的新しいお茶。
  • 黄山市黄山区は以前は太平と呼ばれており、黄山一帯の茶区でも特に古い茶区の一つ。
  • 猴坑という場所に住んでいた王魁成という人物が作り始めたため、この名称になった。
  • 1915年のパナマ太平洋万博で金賞を受賞し、国際的な知名度が上がった。
  • 1980年以降、中国国内でも数々のコンテストで受賞し、銘茶に名を連ねるようになった。
  • 乾燥した茶葉の形は「刀や槍が集結したよう」であり、お湯を注いだ後の茶葉は「竜が飛び鳳凰が舞う(竜飛鳳舞)」と形容される。
  • 太平猴魁にはグレードの高い順に「猴魁」「魁尖」「尖茶」という呼び名がある。
  • 伝統的にはさらに細かく「猴魁」「魁尖」「貢尖」「天尖」「地尖」「人尖」「和尖」「元尖」「彎尖」と区分されていた。

太平猴魁を飲んでみた感想

太平猴魁を実際に飲んでみた感想です。

2020年春(国内中国茶専門店A)

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悟空茶荘の太平猴魁

日本国内に実店舗がある中国茶専門店Aのオンラインショップで購入しました。とにかくコスパがすごい。

基本データ
  • 販売者:中国茶専門店A
  • クロップ:2020年春
  • 入り目:10g
  • 購入価格:1080円(税込)
  • 10gあたり1080円
  • 入手日:2020年6月22日

総評

お願い

※あくまで私個人の感想です。お茶の味や香りの感じ方は本当に人それぞれなので、私の感想は参考程度にとどめていただけると幸いです。

3.3点

  • 味わい:全体的に優しい印象。ツヤがありまろやか。渋味も感じる
  • 香り:香ばしさの中によもぎ餅のような甘味を感じる

苦味:4.5

渋味:3.5

甘味:2.5

コク:3.0

立体感:3.2

香り:3.0

※苦味と渋味は少ないと5(高評価)

  • 外形:茶葉は非常に大きく、平らに圧迫されている。鮮やかで濃い緑色
  • 水色:透明感のある黄緑色
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蓋碗に入らないほど大きい
太平猴魁 中国茶 緑茶 中国緑茶 水色
透明感のある黄緑色
  • 気づいたこと:茶葉がゆったり入る大きめの茶器で淹れた方がおいしくなる

1.蓋碗を使った場合

  • 日付:2020年7月9日
  • 茶器:蓋碗
  • 茶葉の量:3g
  • 湯温:90~95℃程度(沸騰させたケトルから直接注ぐ)
  • 湯量:170ml
蓋碗を使って淹れた感想
  • 一煎目
    ■淹れ方:沸騰させたケトルのお湯を使って、茶葉全体になじむようにゆっくり注いだ。50秒ほど蒸らしてから抽出。

    ■香り:ちょっと弱い。もっとガツンと来てもいいのに・・・

    ■味わい:口に入れた瞬間まずツヤを感じた。ほのかにとろみがあるような。渋味もあるけど丁度よくて心地よい。後味は舌の上に渋味が残る。

  • 二煎目
    ■淹れ方:一煎目と同じように、お湯の動きはほそーくゆっくり注いだ。40~50秒ほど蒸らしてから抽出。

    ■味わい:ツヤはあるけど水っぽくなった印象。厚みに欠ける。面白みが足りない。

  • 三煎目
    ■淹れ方:お湯を太く、早く、勢いよく注いだ。30秒ほど待ってから抽出。

    ■味わい:軽やかな印象になった。二煎目の時に感じた水っぽさはそれほど気にならなくなった。

2.大きめの茶海を使った場合

中国茶専門店Aの太平猴魁を蓋碗を使って淹れてみたところ香りも味わいもイマイチだったので、より大きな器を使って再チャレンジしてみました。

  • 日付:2020年7月9日
  • 茶器:日本茶用の大きな茶海
  • 茶葉の量:3g
  • 湯温:90~95℃程度(沸騰させたケトルから直接注ぐ)
  • 湯量:300ml
日本茶用の大きな茶海を使って淹れた感想
  • 一煎目
    ■淹れ方:沸騰させたケトルのお湯を使って、最初は茶葉全体になじむようにゆっくり、馴染んだ後は勢いをつけて注いだ。60秒ほど蒸らしてから抽出。

    ■味わい:全体的に奥行きが出た。のどごしがある。後味は渋味を感じる。

  • 二煎目
    ■淹れ方:お湯を太く、早く、勢いよく注いだ。が、茶葉は回らなかったのでそのまま。50秒ほど蒸らしてから抽出。

    ■味わい:まろやかで口の中にふわっと広がる存在感。のどごしもある。渋味からくる甘味があり、口の中にずっと残る。
    水っぽさはほとんど感じない。

  • 三煎目
    ■淹れ方:二煎目と同じように勢いよく注いだが、やはり茶葉は回らなかった。30秒ほど待ってから抽出。

    ■味わい:全体的に二煎目と同じ印象。水っぽさは感じない。蓋碗で淹れた時よりもおいしくなった。

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茶葉の量は3gのまま変えず、器を大きくしたのでお湯の量も170mlから300mlへと約1.8倍増えました。

少し味が薄くなってしまうかな?と思いましたが全くそんなことはなく、むしろ蓋碗で淹れた時よりも美味しくなりました!

器が大きくなることでお湯の中で茶葉が広がりやすくなり、より効率よく味わいが抽出されるようになったのかな。

この記事を書いた人
ゆえじ ちゃんこ

中国茶ナビゲーター
中国茶&台湾茶の楽しさや知識・情報をまとめてます。
生涯淹れ手。
福建、香港、日本を拠点においしいお茶のいれかた研究中。
茶藝パフォーマンスもやります!
中級茶藝師。東洋食薬ライセンス1級。

中国茶が好きです!
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金持ち華人の家に嫁いでニート主婦になった純日本人です。ライブドア公式絵日記ブログ「中国でブルジョワ華人の妻してます」を運営中。

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