西湖龍井に関する記事、これが今年最後です。たぶん・・・
春先に深圳の茶葉市場へ出向いて等級違いの西湖龍井を飲み比べましたが
同じ時期に香港でも中国茶専門店を巡り、新星茶荘でとびきり(高い値段)の西湖龍井を購入しました。
実際に飲んでみたところ、感動レベルのおいしさだったのでレポしてみます。
抽出条件は前回と同じです
新星茶荘の逸品獅峰龍井
こちらが今回購入した香港・新星茶荘の「逸品獅峰龍井」
価格は75g入り1500香港ドル(約21,000円)。一斤(500g)あたりの値段は日本円換算で約140,000円。高い。めちゃくちゃに高いです。
獅峰龍井というのは、一言でいうと高級な西湖龍井のこと。
西湖龍井の産地である龍井村のなかで、獅峰と呼ばれる茶畑で生産されたものが獅峰龍井と呼ばれます。歴史と伝統のある産地で良質な茶葉がとれるものの生産量が多くないため、必然的に値段も高価に。
茶葉の外観と香り
- 茶葉:ほっそりと長い。形は均一。色がやや濃いのも目立つけど茶色く変色したようなのはほとんど見当たらない。
- 香り:甘味と香ばしさをぎゅっと濃縮したような濃い香り。
味わい
1煎目 | とろんとした甘みを感じる。口の中に じんわりしみ込んでいくような心地よさ。 渋味なし。後味あまい。 |
2煎目 | 第一印象「うまい!」 甘みは和らいだけど、深みがある。 のど越しもある。 透明感ありつつ存在感がすごい。 後味は最初渋みがあるけどさらに 時間が経つと甘みに変わる。舌が甘い。 |
3煎目 | 甘さもあるけど渋みが目立つように なってきた。後味は渋味を感じる。 白湯を飲むと甘くておいしい。いい渋味。 |
1煎目 (冷めたもの) | とろんと甘い。けど後味はちょっと渋い。 |
茶殻
- 葉が柔らかい。葉脈もしっかりしてる。ちょうど一芯二葉で開いたところのタイミング。
水色比較
熱い状態の3煎目と、ぬるくなった1煎目の色の比較。右側の1煎目の色はほとんど変色していない。透明感のある黄緑色をキープしている。
飲んでみた感想
新星茶荘の獅峰龍井、飲んでみると香りも味わいも非常に印象深く、ハッとする感動がありました。胸の奥がキュンとするような、心に響く満足感。
1煎目は上品で透明感があってほのかに甘く。2煎目は口に入れた瞬間「うまい!」と感じ。3煎目以降も品の良さと存在感が続きました。
茶葉の品質だけでいえば、深圳の茶葉市場で買った1800元/斤の龍井も劣ってないけど、そこにはこの新星茶荘のようなハッとする感動はありませんでした。
この差はどこからくるんだろうか?
確かな応えはありませんが、私が個人的に感じるのは、製茶技術かなと。同じような品質の茶葉を使っていたとしても製茶技術で差が出ている感じ。
新星茶荘の店員さんが「この獅峰龍井は腕のある茶師から仕入れている」と言っていたけど、それは本当なんだろうなと。このお茶の感動は、茶葉の持ち味に作り手の気迫が加わって発揮されてるんだと感じました。
茶葉の値段は恐ろしく高い。でも、そこにしっかり価値は乗っていました。
感動できるお茶に出会うのはなかなか難しいので、これは貴重かと。
それでもこの値段は高いけど・・・