緑茶、紅茶、烏龍茶などお茶は種類がほんとうに豊富です。
どういうときにどのお茶を飲めばいいのかわからない
という疑問を持つこともあるかもしれません。
私個人的には「そのとき自分が飲みたいと思ったお茶を飲めばいい!」と考えています。
しかし、ちょっと自分の体調を意識してお茶を飲み分けるだけで体がラクになる感覚があるのも事実。
最近便秘ぎみで…
冷え症がつらい…
そんなときは症状に合わせてお茶を変えるとすこし改善できるかも!
ポイントはこちら。
- 暑がり体質には冷やすお茶
緑茶、黄茶、白茶など
- 寒がり体質には温めるお茶
紅茶、黒茶など
ここからは体質や体調に合わせたお茶の選び方を中医学的な観点でまとめていきます。
「今の自分の体調」に合ったお茶を自分で選んで楽しいお茶ライフをより快適にしていきましょう!
お茶の性質はおもに2種類
中医学的な観点からお茶の性質をざっくり分けると、からだを温めるか冷やすかの2択です。
緑茶、黄茶、白茶はからだを冷やすお茶。黒茶、紅茶はからだを温めるお茶です。烏龍茶は製造方法によって性質が変わります。詳しくは烏龍茶の項目で説明します。
さらに厳密にいうとお茶の性質は「五性」という5つのカテゴリに分類されます。また、白茶と黒茶も烏龍茶と同じように製造方法によって性質が変わってきます。
お茶の種類ごとに詳しく解説します。
緑茶
緑茶は発酵させずに作るため、茶葉も緑色。生の茶葉に近い「寒性」の効果があります。
五行は「木」、帰経は「肝」。緑茶は万物が芽吹く頃に収穫される春のお茶、やわらかな陽の気を持つイメージです。
黄茶
黄茶は緑茶よりも効果がおだやかな「涼性」のお茶。五行は「土」、帰経は「脾」です。脾胃=消化機能を助ける作用があります。
夏の疲れがたまりやすい夏から秋への季節の変わり目の頃に飲むのがおすすめ。
白茶
白茶もとてもシンプルな製造方法であるため、新鮮なものは生に近い性質である「涼性」です。五行は「金」、帰経は「肺」です。肺を潤し熱を下げるため、まだ暑さの残る初秋頃、これから始まる秋冬の寒さに備えるお茶。
ただし、白茶は「一年茶,三年薬,七年宝(一年目はお茶、三年経つと薬、七年経てば宝になる)」といわれ、熟成度合いによって性質が変わります。一般的な分類は以下の3タイプです。
- 3年以内のフレッシュな白茶:「涼性」
- 3~7年熟成された白茶:「平性」
- 7年以上熟成された白茶:「温性」
黒茶
プーアル茶などの黒茶(熟茶)は身体を温める「温性」です。五行は「水」、帰経は「腎」です。身体を温めながら、消化を促進してくれるので冬に飲むのが適しています。
ただし、緑茶に近い作り方をして発酵させる生茶は「寒性」「涼性」です。熟茶のように堆積発酵(渥堆)という製造工程を経ることで温性になります。
紅茶
紅茶は「温性」のお茶です。製造工程の中でしっかり発酵させるため茶葉の成分が大きく変化しています。
暑い時期に収穫することの多い紅茶は、夏の太陽を浴びて陽気に満ちたエネルギッシュなイメージ。五行は「火」、帰経は「心」です。
烏龍茶
烏龍茶は他の茶と比べると効果が穏やかな「平性」といえます。ただし、ひとくちに烏龍茶といってもその個性は多岐にわたるため、厳密には製造方法によってお茶の性質が変わります。例えば文山包種は緑茶に近い「涼性」、東方美人や岩茶などは紅茶に近い「温性」です。
- 緑茶に近い明るい色のお茶は「涼性」
→文山包種、清香型鉄観音など
- 紅茶に近い濃い色のお茶は「温性」
→東方美人、武夷岩茶、濃香型鉄観音など
花茶
花茶はベースとなる茶葉によって性質が異なります。緑茶や白茶ベースのジャスミン茶などは「寒性」「涼性」、烏龍茶がベースの桂花烏龍茶などは「平性」です。
自分の体質をチェックしてみよう
からだを温めるお茶か、冷やすお茶か…どちらを飲むのが適しているか、選ぶのは簡単です。
- 暑がりな人(陽タイプ)には冷やすお茶
- 冷えやすい人(陰タイプ)には温めるお茶
というわけで今の自分の体調を確認できるリストを作ってみました。当てはまる項目にチェックしてみてください。
- 陰タイプ
- 陽タイプ
- 陽タイプ:身体の陰陽バランスが陽に傾いている状態
- 陰タイプ:身体の陰陽バランスが陰に傾いている状態
陽タイプと陰タイプのチェックリスト、どちらの方が当てはまる項目が多かったでしょうか?
陽タイプのあなた
陽と陰の差が大きい場合
からだに熱がたまりやすい体質(もしくは一時的に熱がたまっている状態)なので緑茶、黄茶、白茶などからだを冷ますお茶を積極的に飲むのがオススメです。陽盛の症状が軽くなるまで紅茶や黒茶など温性のお茶は控えた方がいいでしょう。
陽と陰の差が小さい場合
からだの中の陰陽バランスがやや陽に傾いて、熱がたまり気味な状態です。涼性の白茶や清香系の烏龍茶などがオススメ。緑茶や黄茶、プーアル生茶は飲みすぎると逆にからだを冷やしてしまうので注意です。
陰タイプのあなた
陽と陰の差が大きい場合
からだが冷えやすい体質(もしくは一時的に冷えている状態)なので、しっかり温めることが大切です。紅茶や黒茶、武夷岩茶などの烏龍茶といった温性のお茶を積極的に飲みましょう。緑茶や白茶などはさらに冷やしてしまうので避けるのが賢明です。
陽と陰の差が小さい場合
からだの中の陰陽バランスがやや陰に傾いて、冷えやすくなっている状態です。温性の紅茶や黒茶、烏龍茶(部位岩茶、東方美人など)を中心に選ぶのがオススメ。
陽と陰がほぼ同じのあなた
陰陽のバランスがとれている状態といえます。どのタイプのお茶を飲んでも大丈夫ですが、偏りすぎには注意が必要です。比較的おだやかな平性の烏龍茶が安心。
体質チェックは見直しが必要
体調が日によって変わるのと同じように、体質も少しずつですが変化していくものです。季節や環境、年齢の経過などによって自分に合うお茶も変わっていきます。
「私は陽タイプだったからこのお茶!」と決めつけてしまうのではなく、上記の体質チェックリストをときどきやり直してみるのがオススメです。
上級編:食事の五性とバランスをとる
ちょっと上級編になりますが、自分の体調や体質に合わせたお茶の飲み分けに慣れてきたら、次は食事とのバランスも考慮するとより効果的です。
お茶だけでなく野菜、魚、肉などさまざまな食材にもそれぞれ五性があります。
たとえば、からだを冷やす寒性のカニを食べるときは温性の紅茶や黒茶を飲んで冷やしすぎないようにする…など、食事に合わせてお茶を選ぶこともできます。
食材の組み合わせを考えながら料理するのはむずかしいけど、飲むお茶を変えるだけで調整できるのは手軽でいいですね
「今の自分の体調」に合ったお茶を自分で選んで楽しいお茶ライフをより快適にしていきましょう!