全身の経穴を経絡別で一覧にしました。各経穴の効能についてはリンク先をご確認ください。8つの証に効果のある経穴については、それぞれ詳しく効能と場所をまとめてみました。
※内容は順次追記していきます。
検索もご活用ください
- 2019/8/7 百会、命門、頭維、不容、鳩尾、攅竹、水溝、心兪の項目を追加しました
手の太陰肺経
太陰の手陰経で肺とのつながりが深い。11の経穴を持ち、ぜんそく、息切れなど肺に関わる症状の治療などに有効。
太淵(たいえん)
太淵は手の太陰肺経に属する9番目の経穴。太淵の「太」は大きいことを意味する。「淵」は水深が深い部分を意味し、経穴で言うと深い部分(陥凹部)を指す。
手の陽明大腸経
陽明の手陽経で、大腸とのつながりが深い。20の経穴を持ち、下痢や便秘、五十肩の治療などに有効。
合谷(ごうこく)
合谷(ごうこく)は手の陽明大腸経に属する4番目の経穴。谷のような大きなくぼみであるという意味。別名の虎口は、手を横から見た時の形状が虎の横顔に似ていると例えたもの。
足の陽明胃経
陽明の足陽経で、胃とのつながりが深い。45の経穴を持ち、胃に関わる諸症状や、坐骨神経痛、足の関節痛などの治療に有効。
頭維(ずい)
頭維は足の陽明胃経に属する8番目の経穴。頭維の「維」は「つなぐ」という意味。頭と顔のつなぎ目の部分。
不容(ふよう)
不容は足の陽明胃経に属する19番目の経穴。不容とは、受け入れないという意味で、食べ物などが通りにくく停滞しやすい部分を指す。
足三里(あしのさんり)
足三里は足の陽明胃経に属する36番目の経穴。足三里(あしのさんり)とは、犢鼻(とくび)の下三寸にある経穴の意味。
豊隆(ほうりゅう)
豊隆は足の陽明胃経に属する40番目の経穴。豊隆(ほうりゅう)とは“豊かに隆起している”という意味で、筋肉が盛り上がってる部分にあるツボ。
足の太陰脾経
太陰の足陰経で、脾とのつながりが深い。21の経穴を持ち、胃腸の症状に用いられるほか、月経不順、足の痛み、舌やのどの不調なども緩和する。
太白(たいはく)
太白は足の太陰脾経に属する3番目の経穴。太白(たいはく)の「太」は大きい指つまり足の親指を指し、「白」は赤白肉際(※)にある経穴という意味。
古代中国で太白は「宵の明星(金星)」を表し、五行論では肺と関連があるとされる。
- 経絡:足の太陰脾経
- 要穴: 脾の原穴、脾経の兪土穴
- 赤白肉際:足の甲(陽に当たる部分)と足の裏(陽が当たらない部分)の境目を指す。手に置き換えると分かりやすい。手の甲は日焼けして赤くなり、手のひらは白いままである。
太白の効能
太白には脾の働きを整える作用がある。また、風邪による熱、嘔吐、下痢、腹痛などの胃腸疾患を緩和する。
- 穴性:健脾和中
太白の場所
足の内側、親指の関節の根本。足の甲と裏の境目になる部分。
三陰交(さんいんこう)
三陰交は足の太陰脾経に属する6番目の経穴。三陰交(さんいんこう)は、足の三陰経(脾経、腎経、肝経)が交わる部分であることからその名がついた。
体に栄養を取り込むための消化器系である脾、生命力の源であり水分代謝を担う腎、筋肉や血液をつかさどる肝。この重要な三つの経絡に刺激を与えることができる。
- 経絡:足の太陰脾経
- 別名:承命、太陰
三陰交の効能
冷え性やむくみ、月経不順、更年期障害などの女性特有の症状を調節する。女性疾患の特効穴で「女三里」とも呼ばれる。血行をよくしリラックスできる効果があるので安眠にもよい。
- 穴性:補脾胃、助運化、通経活絡、調和気血
三陰交の場所
足の内くるぶしの最高点から上に3寸(指4本分)、骨と筋肉の境目。骨のきわ。
すねの上から手を乗せ、親指で骨のきわを押さえ、骨の下をぐっと押し込む。左右同様に3~5回押す。冷えに敏感な人は夏場でも三陰交が隠れる長さの靴下や服を着用するのがおすすめ。
陰陵泉(いんりょうせん)
陰陵泉は足の太陰脾胃経に属する9番目の経穴。陰陵泉(いんりょうせん)の「陰」は「陰側(脚では内側)」を指す。「陵」は隆起の意味。「泉」は血液やリンパ、神経が集まる場所のことを指す。
- 経絡:足の太陰脾経
- 要穴:脾経の合水穴
陰陵泉の効能
陰陵泉は水分代謝を促し、体の余分な水分を取り除く湿気取りのツボ。他にも、足、ひざ、腰のトラブルや胃腸、泌尿器、婦人科疾患にも効く。
- 穴性:健脾化湿、通利三焦
陰陵泉の場所
脚の内側、すねの太い骨の内側沿いを下から指でたどり、ひざ下の太い骨にぶつかったキワ。ぶつかるとツーンという感覚がある。左右同様。
指の腹をツボに当て、骨の裏側に反って押し込むように3~5回押す。
血海(けっかい)
血海は足の太陰脾経に属する10番目の経穴。血海(けっかい)とは、漢字のごとく「血」が「海」のように多く集まる場所という意味。川の水が海へ戻るように、血を脾に帰す効果がある経穴であり、婦人病のための要穴といわれている。
- 経絡:足の太陰脾経
血海の効能
血行不良を解消するため、更年期障害、生理痛、冷えやコリをやわらげる効果がある。婦人科疾患に有効。むくみやひざの痛みにもよい。女性ホルモンの分泌を促すともいわれている。
- 穴性:理血調経、散風去湿
血海の場所
膝蓋骨の内側から上に2寸(指3本分)あがった位置。
膝の上を上からつかむように手を乗せ、親指の腹で骨のキワを3~5回ほど押す。
手の少陰心経
少陰の手陰経で、心とのつながりが深い。9つの経穴を持ち、胸痛、息切れなど循環器系の症状を緩和させる。また、心身をリラックスさせ不眠にも効果的。
神門(しんもん)
神門は足の少陰心経に属する7番目の経穴で、少陰心経の原穴。神気の出入りする経穴、という意味。
- 経絡:手の少陰心経
- 別名:兌衝(だしょう)・中都(ちゅうと)
- 要穴:心の原穴、心経の兪土穴
神門の効能
神門は精神的なストレスを緩和してくれるツボ。イライラや、気分の落ち込み、緊張、同期などに効果的。便秘や不眠にも効く。
- 穴性:寧心安神、養陰固表
神門の場所
手のひら側、手首の横じわの小指側の少しくぼんだ場所。
手の太陽小腸経
太陽の手陽経で、小腸とのつながりが深い。19の経穴を持ち、胃腸や肩こりなどの治療に用いられる。
足の太陽膀胱経
太陽の足陽経で、膀胱とのつながりが深い。67の経穴を持ち、腰痛や排尿の異常など、膀胱に関わる症状の治療に有効。
攅竹(さんちく)
攅竹は足の太陽膀胱経に属する2番目の経穴。攅竹の「攅」は「集まる」という意味、竹は眉毛の形を竹の葉に例えたもの。眉毛の間にある、気が集まる場所。
- 経絡:足の太陽膀胱経
- 別名:員在(いんざい)、始光(しこう)、夜光(やこう)、明光(めいこう)、員柱(いんちゅう)
攅竹の効能
眼精疲労や頭痛の緩和に効果的。風邪による鼻づまりにも有効。
- 穴性:去風、泄熱、明目
攅竹の場所
眉毛の生え際の陥没部分。親指で内側に押し込むようにぐーっと押す。
肺兪(はいゆ)
肺兪は足の太陽膀胱経に属する13番目の経穴。肺の背部兪穴、肺経の主治穴の意味。
- 経絡:足の太陽膀胱経
- 要穴:肺の背部兪穴
肺兪の効能
風邪や喘息などによる咳の症状を和らげる。肺兪のツボを押すだけでなく、カイロなどで温めるのもよい。肌の乾燥にも効く。
- 穴性:宣肺、平喘、利気
肺兪の場所
背中の、肩甲骨の真ん中あたりの高さ。下を向くと出る首の付け根の骨から骨の出っ張りを3つ下がり、背骨の中心から1.5寸(指2本分)外側(背骨と肩甲骨の中間あたり)。左右2点ある。
背中の兪穴はテニスボール等の上に寝っ転がるとまんべんなく刺激できる。
心兪(しんゆ)
心兪は足の太陽膀胱経に属する15番目の経穴。心の背部兪穴であり、心経の主治穴。
- 経絡:足の太陽膀胱経
- 要穴:心の背部兪穴
心兪の効能
心臓疾患や精神的な症状に効果的。ストレスが原因のイライラや動悸、胃の不調を緩和する。
- 穴性:疏通心絡、調理気血、寧心安神
心兪の場所
肩甲骨のやや下側くらいの高さで、背骨の中心から1.5寸(指2本分)外側(背骨と肩甲骨の中間あたり)。左右2点ある。
背中の兪穴はテニスボール等の上に寝っ転がるとまんべんなく刺激できる。
膈兪(かくゆ)
膈兪は足の太陽膀胱経に属する17番目の経穴。膈兪の「膈」は横隔膜を指す。膈兪とは横隔膜を境とする上焦と中焦の病気に効果がある経穴という意味。
膈兪、肝兪、脾兪の左右6穴は「六華の灸」と称される胃腸の特効ツボ。
- 経絡:足の太陽膀胱経
- 要穴:八会穴の血会
膈兪の効能
膈兪は呼吸器系のトラブル、胃や食道の疾患、特に胸やけ、吐き気、胃痛に効果がある。つわりにも効くと言われる。また、横隔膜と関連があるためしゃっくりを止めるツボでもある。
- 穴性:和血理血、和胃寛胸
膈兪の場所
左右の肩甲骨の下角の位置を結んだ高さで、背骨の中心から1.5寸(指2本分)外側。左右2点ある。
自分で押すのは難しいので誰かにお願いするといいかも。
脾兪(ひゆ)
脾兪は足の太陽膀胱経に属する20番目の経穴。脾兪とは、脾の兪穴のこと。背中のツボのことを兪穴という。
- 経絡:足の太陽膀胱経
- 要穴:脾の廃部兪穴
脾兪の効能
脾兪は消化を促進する作用があるため、下痢や便秘などおなかの不調や消化不良に効果がある。体のだるさやめまい、肩こりにも効く。
- 穴性:健脾化湿
脾兪の場所
第11胸椎棘突起下(肩甲骨の下を結ぶライン上にある背骨から骨を4つ下がる部分)の外側1寸5分(背骨の中心から指2本分外側)。胸郭の下の方にあるので、肋骨下部に手を当てて親指を上に伸ばして押さえてみるといいかも。左右2点ある。
背中の兪穴はテニスボール等の上に寝っ転がるとまんべんなく刺激できる。
腎兪(じんゆ)
腎兪は足の太陽膀胱経に属する23番目の経穴。腎兪(じんゆ)とは、腎の背部兪穴の意味。腎経の主治穴。
- 経絡:足の太陽膀胱経
- 要穴: 腎の背部兪穴
腎兪の効能
腎兪は腰痛の特効薬。ツボを押すだけでなく腎兪にカイロ等をあてて温めるのも良い。腰のトラブルのほかにも、むくみや倦怠感、冷え、生理不順、不妊症など腎機能や生殖器の疾患にも効果がある。
- 穴性:補益腎気、利腰脊
腎兪の場所
ウエストの一番細い部分にある背骨(第二腰椎と第三腰椎の間)の中心部から外側左右に1.5寸(指幅2本分)離れたところ。左右2点ある。
腰に両手を当て、親指の腹でツボを押さえる。左右同時に3~5回押す。
足の少陰腎経
少陰の足陰経で、腎とのつながりが深い。27の経穴を持ち、足関節の痛み改善や老化の予防などに効果的。
太渓(たいけい)
太渓は足の少陰腎経に属する3番目の経穴。太渓とは、アキレス腱の前方の渓谷のように大きなくぼみにある経穴という意味。「太谿(たいけい)」ともいう。
- 経絡:足の少陰腎経
- 要穴: 腎経の原穴、腎経の兪土穴
太渓の効能
太渓は腎に関連する疾患全般に有効。老化現象にも。また、新陳代謝の改善、手足の冷え、ぜんそくや気管支炎、頻尿、消化不良、などにも効果がある。
- 穴性:益腎降火、通調衝任
太渓の場所
足の内くるぶし頂点とアキレス腱を結ぶ中間地点の大きくくぼんだ部分。左右同様。
手の厥陰心包経
厥陰の手陰経で、心包とつながりが深い。9の経穴を持ち、手の少陰心経とともに同期、胸痛など心に関わる症状の治療に有効。
手の少陽三焦経
少陽の手陽経で、三焦とのつながりが深い。23の経穴を持ち、排尿障害などの治療に用いられる。
足の少陽胆経
少陽の足陽経で、胆とのつながりが深い。44の経穴を持ち、頭痛など頭部の症状に有効。
足の厥陰肝経
厥陰の足陰経で、肝とのつながりが深い。14の経穴を持ち、目の症状の治療などに用いられる。
太衝(たいしょう)
太衝は足の厥陰肝経に属する3番目の経穴。太衝の「衝」は、動脈の拍動を感じる場所、という意味。肝機能を高める作用がある。
- 経絡:足の厥陰肝経
- 要穴:肝の原穴、肝経の兪土穴
太衝の効能
太衝は精神系のトラブルに効くツボ。二日酔いによる頭痛や吐き気、倦怠感などの症状緩和やその予防にも効果的。他にもストレス、足の冷え、生殖器や泌尿器のトラブル、視力の低下などにも効く。
- 穴性:平肝鎮惊、泄熱理血、清頭目、理下焦、疏肝理気
太衝の場所
足の親指と人差し指の間をたどっていった先の骨の付け根、V字の谷になってる部分。
人差し指で骨のキワを押さえ、手前(足首側)にぐっと押し込む。5秒ほど押し続ける。
期門(きもん)
期門は足の厥陰肝経に属する14番目、最後の経穴。肝機能の改善に効果的である。
- 経絡:足の厥陰肝経
- 要穴:肝の募穴
期門の効能
期門は肝機能のはたらきを助けるため、二日酔いの諸症状に効果がある。飲む前にツボを押すことで悪酔いの予防にもなる。その他、糖尿病、胃もたれ、精神的なストレスにもよい。二日酔いの場合は特に右側の期門が効果的。
- 穴性:疏肝調脾、理気活血、活血化瘀
期門の場所
両乳頭の真下を指4~5本分下がった場所、助骨の間。左右対称。
指の腹をツボに当て、肋骨に指を押し込むイメージで体を前に倒す。手のひらやカイロなどでツボを温めることでも効果がある。
督脈
奇経八脈の中で陽経を統括する。「陽脈の海」とも呼ばれる。経穴は、鼻、頭、頸部、背中、腰、大腸、小腸、膀胱に有効。
命門(めいもん)
命門は督脈に属する4番目の経穴。命門は「生命の重要な門」「生命力の中心」という意味で重要な経穴のひとつ。
- 経絡:督脈
- 別名:属累(ぞくるい)
命門の効能
腰痛や耳鳴りなど腎疾患に効果的で免疫力向上効果もある。
- 穴性:培元固本、温陽補腎、疏調経気、強健腰膝
命門の場所
ちょうどへその真後ろにあたる高さの、背骨上にあるくぼみ部分。命門のあたりに使い捨てカイロなどを当てて温めるのも効果的。
百会(ひゃくえ)
百会は督脈に属する20番目の経穴。百会は頭頂にあり、頭部の様々な疾患の治療に用いられる。頭部の陽気が集まり、太陽膀胱経、少陽胆経、少陽三焦経、督脈、厥陰肝経の五つの経が集まる場所。
- 経絡:督脈
- 別名:三陽五会(さんようごえ)
百会の効能
頭痛やめまい、眼精疲労、耳鳴りに効き目がある。精神を安定させる作用もあり不眠症などに効果的。
- 穴性:蘇厥熄風、清熱開竅、昇陽固脱、健脳寧神、回陽固脱、平肝熄風
百会の場所
両耳の上端を結んだ線上の中心、頭頂部の少しくぼんだ部分。頭の中心。
水溝(すいこう)
水溝は督脈に属する26番目の経穴。「鼻水が通る溝」という意味。身体の津液を調節する。
- 経絡:督脈
- 別名:鬼宮(ききゅう)、鬼客庁(ききゃくちょう)、人中(じんちゅう)
水溝の効能
鼻水、鼻づまりを抑える。熱中症予防や腰痛の緩和にも効果的。
- 穴性:清熱開竅、回陽救逆、沈痛寧神
水溝の場所
鼻と上唇の間のくぼんだ部分の中心部。
任脈
奇経八脈の中で陰経を統括する。陽経の督脈に対して「陰脈の海」とも呼ばれる。経穴は、陰部、卵巣、至急、膀胱、胃、腸、胸、心、喉に有効。
関元(かんげん)
関元は任脈に属する4番目の経穴。関元は、元気(原気、生命活動の原動力)の集まる場所という意味。別名である「丹田」の「丹」も元気という意味を持つ。
- 経絡:任脈
- 別名:丹田(たんでん)、次門(じもん)
- 要穴:小腸の募穴
よく「丹田に気を集めろ」とか言う時の丹田ってこのツボだったんだ
関元の効能
関元は腎との関係が深く、月経不順や生理痛、不妊症、婦人科系疾患に効果がある。 血行促進や利尿、消化不良にも効く。
- 穴性:湿腎壮陽、培補元気、通調衝任、培腎固本
関元の場所
へそ中心から下に3寸(指四本分)下ったところ。
人差し指の腹をツボに当てて、体の中心に向かって真っすぐ3~5回押す。
水分(すいぶん)
水分は任脈に属する9番目の経穴。水分は古代において、小便(清)と大便(濁)を分ける場所と考えられていたため、利水の効果がある経穴の意味であると言われている。
- 経絡:任脈
- 別名:中守
水分の効能
水分は水に関わる不調を改善するツボ。血液やリンパの流れを良くして老廃物の排出を促すので、むくみ、泌尿器系のトラブルに効く。
- 穴性:健脾胃、分利水湿、和中理気
水分の場所
へその中央部分から1寸(親指1本分)上にあがった部分。
指の腹をツボに当て、体の中心に向かって3~5回押す。おなかの奥に圧をかけるイメージで。
中脘(ちゅうかん)
中脘は任脈に属する12番目の経穴。中脘は、胃袋の中心という意味で、胃の中ほどにある小弯部を指していると考えられる。
- 経絡:任脈
- 別名:胃募、中管
- 要穴:胃の募穴、八会穴の腑会
中脘の効能
中脘は消化機能を改善するツボ。胃の調子を整えて活性化させる効果があるため、胃腸のはたらきを正常にし、食欲を高める効果がある。自律神経にも作用するため、精神的ストレスを和らげることもできる。頭痛、肩こり、だるさや髪のトラブルにも効く。
- 穴性:調理中焦、健脾化湿、和胃降逆
中脘の効能
へそから指6本分上にあがった部分。おへそからみぞおちまでの中間くらいの位置。
指の腹をツボに当て、体の中心に向かって3~5回押す。おなかの奥に圧をかけるイメージで。
鳩尾(きゅうび/みぞおち)
鳩尾は任脈に属する15番目の経穴。鳩尾は、胸骨の下端に突出する剣状突起の形がハトの尾に似ていることから名づけられた。みぞおちという読み方は当て字で、“飲んだ水が落ちる場所”という意味の「水落ち」が変化したもの。
- 経絡:任脈
- 別名:神府(しんふ)
- 要穴:任脈の絡穴
鳩尾の効能
精神安定の効果があり、イライラや緊張による不眠や息切れを緩和する。食欲不振にも効果的。
- 穴性:和胃降逆、寧心安神
鳩尾の場所
胸骨の下(肋骨が繋がる部分)から親指1本分くだった部分。
膻中(だんちゅう)
膻中は任脈に属する17番目の経穴。膻中の「膻」は胸元のこと、膻中はその中央部分を指す。膻は心包を指すという説もある。
- 経絡:任脈
- 別名:元児(げんじ)
- 要穴:心包の募穴、八会穴の気会
膻中の効能
膻中は心と関連のあるツボ。ストレスによって胸に圧迫感を感じるときなどに膻中のツボをほぐすと楽になる。イライラや不安感、ストレスによる不眠、動悸などに効果がある。また、女性ホルモンの分泌を促すともいわれ、乳腺炎や母乳の出が悪い時にもよい。
- 穴性:調理気機、宣肺降逆、寛胸化痰、通乳寧神
膻中の場所
左右の乳頭を結んだ直線の中央、骨に当たる部分。胸の中心。
指の腹をツボに当て、体の奥に向かってまっすぐに押す。グーの手を作って指の関節でぐりぐり撫でまわすのもよい。