東洋医学(中医学)におけるツボと経絡について、概要をまとめてみました。
ツボとは
ツボは現代中医学の専門用語では腧穴(しゅけつ)という。腧穴には3種類あって、経穴(けいけつ)、奇穴(きけつ)、阿是穴(あぜけつ)に分類される。
ツボ=経穴だと思ってたら違った!
経穴(けいけつ)
経穴とは、経脈上にあるツボ。12正経脈と2奇経脈(督脈、任脈)を合わせた計14経脈上にあり、全て合わせると361穴ある。これらの361穴は世界保健機関(WHO)によって正穴として表記法が定められている。
ほとんどの経穴は左右対称に2つずつあるので実際の総数は670穴もある!
奇穴(きけつ)
奇穴とは、十四経にも属さず単独で効果のあるツボ。経外奇穴、特効穴とも呼ばれる。その数は経穴よりも多いと言われているが、現在WHOによって定められているのは48種類。
阿是穴(あぜけつ)
阿是穴とは、経穴にも奇穴にも属さないツボ。触ったり押したときに敏感になっている部分。畦穴、天応穴、不定穴とも呼ばれる。現代において阿是穴の概念に近いものは、トリガーポイント、知覚過敏点などがある。
または中国語で「阿是穴」は「あぁ、このツボ!」の意味で、単に押して気持ちいいツボのこともいう。
経絡とは
経絡(けいらく)とは、気と血の通り道のこと。
気と血は経絡を通って全身に栄養とエネルギーを与え、臓腑や筋肉等の機能を調節する。また、各臓腑の気も経絡を通って循環をしているため、臓腑に不調がある時は経絡上にその反応(痛みやしこりなど)があらわれる。
経脈と絡脈
経絡を分類すると、経脈と絡脈に分けられる。
- 経脈は全身を縦に流れる脈で、主要な幹線道路のような役割。鍼灸治療やツボ押しなどで重視するのはこの経脈。
地理で習う経度と緯度も、経度が縦線!
- 絡脈は、経脈をつなぐ支線のようなもので、網状に全身をまとっている。
十二経脈と奇経八脈
経脈はさらに、十二経脈と奇経八脈に分類される。
- 十二経脈は陰と陽のグループに分けられ、が六臓六腑に割り当てられる。12本それぞれが相互に接続して1本の切れ目のない環となり全身をつなぎ、気血を巡らせている。
この気血の巡りを担うのが営気
- 奇経八脈とは、督脈、任脈、衝脈、帯脈、陽蹻脈(ようきょうみゃく)、陰蹻脈(いんきょうみゃく)、陽維脈、陰維脈の八脈のこと。中でも陽経を統括する督脈(GV)と陰経を統括する任脈(CV)は重要とされ、十二経脈と合わせて十四経脈と呼ばれる。奇経八脈は十二経脈の間を縦横に走り、交差して経絡間の連携を密接にする。また、経脈を流れる気血を調整する役割がある。
まとめ
身体中にいろんなツボがあるけど、中医学的に重要なのはその中でも経穴。その経穴は全身を巡る十二経脈上にあり、刺激することでさまざまな不調改善に効果がある。
たぶん一番簡単なのはストレッチ。ツボ押しだけでなく、ストレッチすることでも経絡を刺激できるのでおすすめ。気持ち良く身体が伸びてる感覚があればOK!