足の厥陰肝経の経穴一覧です。ひとまず8つの証に効果のある経穴について、効能と場所をまとめてみました。
現在公開している項目は以下の通りです(2020/1/29時点)
※内容は順次追記していきます。
足の厥陰肝経とは
厥陰の足陰経で、肝とのつながりが深い。14の経穴を持ち、目の症状の治療などに用いられる。
足の厥陰肝経、英語名はLiver Meridianといい、略してLRと表記する。
LR1 大敦(たいとん)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 別名:水泉(すいせん)
- 要穴:肝経の井木穴
- 穴性:排熱解痙、理気調血、通経活絡
穴性解説
- 排熱(はいねつ):熱を外に出すこと
LR2 行間(こうかん)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 要穴:肝経の栄火穴
- 穴性:瀉肝火、疏気滞、清熱鎮驚
穴性解説
- 瀉肝火(しゃかんか):肝の火を取り除くこと
- 鎮驚(ちんきょう):驚きやすいなど不安を和らげること
LR3 太衝(たいしょう)
太衝は足の厥陰肝経に属する3番目の経穴。太衝の「衝」は、動脈の拍動を感じる場所、という意味。肝機能を高める作用がある。
- 経絡:足の厥陰肝経
- 要穴:肝の原穴、肝経の兪土穴
太衝の効能
太衝は精神系のトラブルに効くツボ。二日酔いによる頭痛や吐き気、倦怠感などの症状緩和やその予防にも効果的。他にもストレス、足の冷え、生殖器や泌尿器のトラブル、視力の低下などにも効く。
- 穴性:平肝鎮惊、泄熱理血、清頭目、理下焦、疏肝理気
穴性解説
- 平肝(へいかん):肝機能を整えること
- 鎮惊(驚)(ちんきょう):精神不安や意識障害(もうろうとした状態)を改善すること。「惊」は頭がかすむという意味。
- 理血(りけつ): 血の流れをよくすること
- 理下焦(りげしょう):下焦の働きをよくすること
太衝の場所
足の親指と人差し指の間をたどっていった先の骨の付け根、V字の谷になってる部分。
人差し指で骨のキワを押さえ、手前(足首側)にぐっと押し込む。5秒ほど押し続ける。
LR4 中封(ちゅうほう)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 別名:懸泉(けんせん)
- 要穴:肝経の経金穴
- 穴性:清肝胆、理下焦
穴性解説
- 理下焦(りげしょう):下焦(腎、膀胱、大腸、小腸)の働きをよくすること
LR5 蠡溝(れいこう)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 別名:交儀(こうぎ)
- 要穴:肝経の絡穴
- 穴性:疏肝理気、調経活絡
LR6 中都(ちゅうと)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 要穴:肝経の郄穴
- 穴性:調経血、理下焦
穴性解説
- 理下焦(りげしょう):下焦(腎、膀胱、大腸、小腸)の働きをよくすること
LR7 膝関(しつかん)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 穴性:散風湿、利関節
LR8 曲泉(きょくせん)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 要穴:肝経の合水穴
- 穴性:清湿熱、理下焦、舒筋活絡
穴性解説
- 清湿熱(せいしつねつ):湿熱を冷ますこと
- 理下焦(りげしょう):下焦(腎、膀胱、大腸、小腸)の働きをよくすること
- 舒筋(じょきん):筋肉を伸びやかにすること
LR9 陰包(いんぽう)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 穴性:調経血、理下焦
穴性解説
- 理下焦(りげしょう):下焦(腎、膀胱、大腸、小腸)の働きをよくすること
LR10 足五里(あしのごり)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 別名:五里(ごり)
- 穴性:清湿熱、利下焦
穴性解説
- 清湿熱(せいしつねつ):湿熱を冷ますこと
- 利下焦(りげしょう):下焦の働きを促し、水分の流れをよくすること
LR11 陰廉(いんれん)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 穴性:調経血、理下焦
穴性解説
- 理下焦(りげしょう):下焦(腎、膀胱、大腸、小腸)の働きをよくすること
LR12 急脈(きゅうみゃく)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 穴性:疏肝理気、止痛
LR13 章門(しょうもん)
- 経絡:手の少陽三焦経
- 別名:長平(ちょうへい)、脾募(ひぼ)
- 要穴:脾の募穴、八会穴の臓会
- 穴性:疏肝健脾、活血利湿、活血化瘀
穴性解説
- 健脾(けんぴ):脾の機能(運化、昇清、統血)を改善する
- 活血化瘀(かっけつかお):血流をよくし、血の滞りを改善すること
LR14 期門(きもん)
期門は足の厥陰肝経に属する14番目、最後の経穴。肝機能の改善に効果的である。
- 経絡:足の厥陰肝経
- 要穴:肝の募穴
期門の効能
期門は肝機能のはたらきを助けるため、二日酔いの諸症状に効果がある。飲む前にツボを押すことで悪酔いの予防にもなる。その他、糖尿病、胃もたれ、精神的なストレスにもよい。二日酔いの場合は特に右側の期門が効果的。
- 穴性:疏肝調脾、理気活血、活血化瘀
穴性解説
- 活血化瘀(かっけつかお):血流をよくし、血の滞りを改善すること
期門の場所
両乳頭の真下を指4~5本分下がった場所、助骨の間。左右対称。
指の腹をツボに当て、肋骨に指を押し込むイメージで体を前に倒す。手のひらやカイロなどでツボを温めることでも効果がある。