督脈の経穴一覧です。ひとまず8つの証に効果のある経穴について、効能と場所をまとめてみました。
現在公開している項目は以下の通りです(2020/1/29時点)
※内容は順次追記していきます。
- 督脈
 - GV1 長強(ちょうきょう)
 - GV2 腰兪(ようゆ)
 - GV3 腰陽関(こしのようかん)
 - GV4 命門(めいもん)
 - GV5 懸枢(けんすう)
 - GV6 脊中(せきちゅう)
 - GV7 中枢(ちゅうすう)
 - GV8 筋縮(きんしゅく)
 - GV9 至陽(しよう)
 - GV10 霊台(れいだい)
 - GV11 神道(しんどう)
 - GV12 身柱(しんちゅう)
 - GV13 陶道(とうどう)
 - GV14 大椎(だいつい)
 - GV15 瘂門(あもん)
 - GV16 風府(ふうふ)
 - GV17 脳戸(のうこ)
 - GV18 強間(きょうかん)
 - GV19 後頂(ごちょう)
 - GV20 百会(ひゃくえ)
 - GV21 前頂(ぜんちょう)
 - GV22 顖会(しんえ)
 - GV23 上星(じょうせい)
 - GV24 神庭(しんてい)
 - GV25 素髎(そりょう)
 - GV26 水溝(すいこう)
 - GV27 兌端(だたん)
 - GV28 齦交(ぎんこう)
 
督脈
奇経八脈の中で陽経を統括する。「陽脈の海」とも呼ばれる。経穴は、鼻、頭、頸部、背中、腰、大腸、小腸、膀胱に有効。
督脈、英語名はGovernor Vesselといい、略してGVと表記する。
GV1 長強(ちょうきょう)
- 経絡:督脈
 - 別名:気之陰郄(きのいんげき)
 - 要穴:督脈の郄穴
 
- 穴性:清熱利湿、調理下焦、清熱止血、昇提肛腸
 
穴性解説
- 下焦(げしょう):下腹部の腎、膀胱、大腸、小腸を指す
 - 昇提(しょうてい):脾気を引き上げること
 
GV2 腰兪(ようゆ)
- 経絡:督脈
 - 別名:背解(はいかい)、腰戸(ようこ)
 
- 穴性:温下元、強腰膝、去湿通絡
 
穴性解説
- 温下元(おんかげん):腎を温めること
 
GV3 腰陽関(こしのようかん)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:強腰膝、去寒湿、壮腰補腎
 
穴性解説
- 壮腰(そうよう):腰を強くすること
 
GV4 命門(めいもん)
命門は督脈に属する4番目の経穴。命門は「生命の重要な門」「生命力の中心」という意味で重要な経穴のひとつ。
- 経絡:督脈
 - 別名:属累(ぞくるい)
 
命門の効能
腰痛や耳鳴りなど腎疾患に効果的で免疫力向上効果もある。
- 穴性:培元固本、温陽補腎、疏調経気、強健腰膝
 
穴性解説
- 培元(ばいげん):元気を養うこと。益元、壮元、補元ともいう
 - 固本(こほん):活力源を養うこと
 
命門の場所
ちょうどへその真後ろにあたる高さの、背骨上にあるくぼみ部分。命門のあたりに使い捨てカイロなどを当てて温めるのも効果的。

GV5 懸枢(けんすう)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:温腎健脾、強健腰膝
 
GV6 脊中(せきちゅう)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:温腎健脾
 
GV7 中枢(ちゅうすう)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:強腰補腎、和胃止痛
 
穴性解説
- 和胃(わい):胃の不和を改善すること。和中ともいう
 
GV8 筋縮(きんしゅく)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:緩急止疼、通絡止疼
 
※「疼」はズキズキする痛みを指す
GV9 至陽(しよう)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:寛胸利膈、健脾調中、利気寛胸
 
穴性解説
- 寛胸(かんきょう):胸のつかえをすっきりさせること
 - 調中(ちょうちゅう):中焦(脾、胃)の働きを整えること
 
GV10 霊台(れいだい)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:清熱解毒、宣肺通絡
 
穴性解説
- 清熱(せいねつ):体内の熱を冷ますこと
 - 宣肺(せんぱい):肺気を宣痛する治療法。宣白ともいう
 
GV11 神道(しんどう)
- 経絡:督脈
 - 別名:臓兪(ぞうゆ)
 
- 穴性:寧神、清熱、通経止痛
 
穴性解説
- 清熱(せいねつ):体内の熱を冷ますこと
 
GV12 身柱(しんちゅう)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:宣肺止咳、清心寧神、去風活絡、理気降逆、止咳平喘
 
穴性解説
- 宣肺(せんぱい):肺気を宣痛する治療法。宣白ともいう
 - 降逆(こうぎゃく):上がった気を下げること
 - 平喘(へいぜん):喘息など呼吸器系の症状を改善すること
 
GV13 陶道(とうどう)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:清熱、解表
 
穴性解説
- 解表(げひょう):体の表面の邪気を取り除くこと。風邪などの初期状態に有効。疏表ともいう
 
GV14 大椎(だいつい)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:疏風解表、清熱通陽、疏風散寒、理気降逆、鎮静安神、醒脳解痙
 
穴性解説
- 解表(げひょう):体の表面の邪気を取り除くこと。風邪などの初期状態に有効。疏表ともいう
 - 醒脳(せいのう):意識をはっきりさせること
 
GV15 瘂門(あもん)
- 経絡:督脈
 - 別名:舌横(ぜつおう)、舌厭(ぜつえん)、暗門(あんもん)
 
- 穴性:開竅醒神、安神
 
穴性解説
- 開竅(かいきょう):九竅(目、耳、鼻、口、尿道、肛門)の通りを良くすること
 - 醒神(せいしん):意識をはっきりさせること
 
GV16 風府(ふうふ)
- 経絡:督脈
 - 別名:舌本(ぜっぽん)、鬼枕(きちん)、鬼穴(きけつ)
 
- 穴性:清熱散風、通関開竅、疏開脳府
 
穴性解説
- 開竅(かいきょう):九竅(目、耳、鼻、口、尿道、肛門)の通りを良くすること
 - 疏開(そかい):のびやかで明朗にすること
 - 脳府(のうふ):脳の機能のこと
 
GV17 脳戸(のうこ)
- 経絡:督脈
 - 別名:会額(えがく)
 
- 穴性:清熱散風、疏開脳府、開竅
 
穴性解説
- 開竅(かいきょう):九竅(目、耳、鼻、口、尿道、肛門)の通りを良くすること
 - 疏開(そかい):のびやかで明朗にすること
 - 脳府(のうふ):脳の機能のこと
 
GV18 強間(きょうかん)
- 経絡:督脈
 - 別名:大羽(だいう)
 
- 穴性:清頭目、安神志
 
穴性解説
- 安神志(あんしんし):不安などを取り除き精神状態を安定させること
 - 清頭目(せいとうもく):頭と目をすっきりさせること
 
GV19 後頂(ごちょう)
- 経絡:督脈
 - 別名:交衝(こうしょう)
 
- 穴性:清頭目、安神志
 
穴性解説
- 安神志(あんしんし):不安などを取り除き精神状態を安定させること
 - 清頭目(せいとうもく):頭と目をすっきりさせること
 
GV20 百会(ひゃくえ)
百会は督脈に属する20番目の経穴。百会は頭頂にあり、頭部の様々な疾患の治療に用いられる。頭部の陽気が集まり、太陽膀胱経、少陽胆経、少陽三焦経、督脈、厥陰肝経の五つの経が集まる場所。
- 経絡:督脈
 - 別名:三陽五会(さんようごえ)
 
百会の効能
頭痛やめまい、眼精疲労、耳鳴りに効き目がある。精神を安定させる作用もあり不眠症などに効果的。
- 穴性:蘇厥熄風、清熱開竅、昇陽固脱、健脳寧神、回陽固脱、平肝熄風
 
穴性解説
- 熄風(そくふう):めまい、ふるえ、痙攣などの状態を改善すること
 - 昇陽固脱(しょうようこだつ):陽気を昇らせ、便秘や尿閉を改善すること
 
百会の場所
両耳の上端を結んだ線上の中心、頭頂部の少しくぼんだ部分。頭の中心。


GV21 前頂(ぜんちょう)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:清頭目、散風
 
穴性解説
- 清頭目(せいとうもく):頭と目をすっきりさせること
 - 散風(さんふう):風の邪気を体外へ排出すること
 
GV22 顖会(しんえ)
- 経絡:督脈
 - 別名:顖上(しんじょう)、鬼門(きもん)
 
- 穴性:清頭目、散風
 
穴性解説
- 清頭目(せいとうもく):頭と目をすっきりさせること
 - 散風(さんふう):風の邪気を体外へ排出すること
 
GV23 上星(じょうせい)
- 経絡:督脈
 - 別名:鬼堂(きどう)
 
- 穴性:清熱散風、宣肺通竅
 
穴性解説
- 清熱(せいねつ):体内の熱を冷ますこと
 - 散風(さんふう):風の邪気を体外へ排出すること
 - 宣肺(せんぱい):肺気を宣痛する治療法。宣白ともいう
 - 通竅(つうきょう):意識をはっきりさせること。開竅ともいう
 
GV24 神庭(しんてい)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:清熱散風、通竅、鎮驚安神、鎮静醒脳
 
穴性解説
- 通竅(つうきょう):意識をはっきりさせること。開竅ともいう
 - 鎮驚(ちんきょう):驚きやすいなど不安を和らげること
 - 安神(あんしん):精神不安や動悸、睡眠障害などの症状を安定させること
 - 醒脳(せいのう):意識をはっきりさせること
 
GV25 素髎(そりょう)
- 経絡:督脈
 - 別名:面王(めんおう)、面上(めんじょう)
 
- 穴性:清熱、通竅
 
穴性解説
- 通竅(つうきょう):意識をはっきりさせること。開竅ともいう
 
GV26 水溝(すいこう)
水溝は督脈に属する26番目の経穴。「鼻水が通る溝」という意味。身体の津液を調節する。
- 経絡:督脈
 - 別名:鬼宮(ききゅう)、鬼客庁(ききゃくちょう)、人中(じんちゅう)
 
水溝の効能
鼻水、鼻づまりを抑える。熱中症予防や腰痛の緩和にも効果的。
- 穴性:清熱開竅、回陽救逆、沈痛寧神
 
穴性解説
- 回陽救逆(かいようきゅうぎゃく):陽気を回復すること
 - 寧神(ねいしん):不安定な精神状態を安定させること
 
水溝の場所
鼻と上唇の間のくぼんだ部分の中心部。

GV27 兌端(だたん)
- 経絡:督脈
 - 別名:兌骨(だこつ)、壮骨(そうこつ)
 
- 穴性:清熱、止驚
 
GV28 齦交(ぎんこう)
- 経絡:督脈
 
- 穴性:清熱、疏経、寧神
 
穴性解説
- 寧神(ねいしん):精神が不安定な状態を安定させること
 

  
  
  
  




    
