ティーメディアコーポレーションさん主催のワークショップ「新茶を飲む・四川省2019」に行ってきました!いただいたお茶の感想などまとめます。
今回飲んだお茶は8種類
今回いただいたのは8種類のお茶。
どのお茶も個性豊かで面白かったです
峨眉雪芽
- 峨眉山の緑茶
- 機械製造品
- 標高800m~1200mという高山地域の茶葉
- 品種は福選9号
- 殺青の前に、摘み取ってきた茶葉を広げて水分を飛ばす「攤青」という工程がある
- 殺青は「微波殺青機」による電磁波を利用した殺青(電子レンジと同じような仕組み)
飲んでみると口に入れた瞬間は味がしないかと思ったら後からしっかり渋みがくる。力強い。
蒙頂甘露
- 蒙頂山の緑茶
- 細く巻かれたような形状、産毛がたくさん、ふわふわ
- 電磁波殺青の機械製造品
飲んでみると、とにかくとろんと甘い。
蒙頂石花
- 同じく蒙頂山の緑茶
- 扁平状で、産毛はない(釜炒り工程で落とす)
- 電磁波殺青の機械製造品
こちらは蒙頂甘露と比べると、さっぱり系でキレがある。産毛の甘さがない。
蒙頂甘露と蒙頂石花は、原料が同じ。殺青までの工程も同じ。その後の揉捻と釜炒りの方法が異なる。
もともとが同じ茶葉でも製造工程によって見た目も味も香りも異なるお茶になる!
手作りではなく、機械製造で生産される茶葉だから価格もリーズナブルなのかと思ったら、値段は正々堂々高いらしい。その理由は、今年の一番茶だから。
峨眉雪芽、蒙頂甘露、蒙頂石花の3つはどれも青さが強い。青っぽい。何かがなんとなく物足りない。
ずっと飲み続けるにはしんどくなりそう
その青さの原因は恐らく、電磁波殺青にあるだろうというのがあるきちさんの見解。
蒙頂緑茶 華新露
- 同じく蒙頂山の緑茶
- 機械製造ではなく、全手工(全て手作業にて製造されたもの)
- 電磁波殺青ではなく伝統的な釜炒り殺青
- 値段は一番高い
このお茶には上記3種類に感じたような青さはなく、ふわっと広がる華やかさがある。おいしい。香りが全然違う。
蒙頂黄芽
- 言わずと知れた蒙頂山の黄茶
- 従来よりも悶黄を軽めに調整している
- 今回飲んだのは2018年クロップ
- 2019年の製茶仕立ての茶葉はまだいまいちだったとか
- 黄茶は新茶が一番とは限らないらしい。
- 製造してから1年くらい置いた方がいいのかも
もわっと感がなく、ふんわりした優しい香り。ほっと落ち着く感じ。これはおいしい。
蔵茶3種類
蔵茶とは
- 蔵茶は、古くから茶馬古道を通り、周辺の少数民族との交易に使われていた
- 分類としては黒茶の一部
- 同じ黒茶の中でも、プーアル茶は大葉種なのに対し、蔵茶は小葉種
- 新中国成立後は少数民族対策の外交カードとして重要な役割を果たす
- その影響もあり、現在も蔵茶の生産・製造には政府が深く関わっている
- 以前は生産量が不足していたため蔵茶を作っている現地の人たちも飲めないお茶だった
- 生産量が増えてきた現在は“漢民族も飲めるお茶”になったそう
- 蔵茶の製法は、中国の無形文化遺産に登録されている
生産地である雅安市は茶馬古道のスタート地点(の一つ)
- 蔵茶は下の方の硬くなった茶葉も刈り取って原料にする
- 製造工程は非常に複雑
- 伝統的な製法だと渥堆(あくたい) に1~3か月かかる
- 渥堆(あくたい):高温多湿と菌による後発酵。山積みにした茶葉を適切な湿度と温度(高温高湿)の環境に置き、水をかけ蒸す。 六堡茶やプーアル熟茶などの製造工程の一部。
- 金尖茶と康磚茶は両方とも雅安茶廠の製品。旧国営企業。1546年から続く。
- 口当たり優しく飲みやすい。がぶ飲み茶。
- 金尖茶と康磚茶の製造工程は同じ。原料茶葉の摘み取る部位が異なる。金尖茶は康磚茶では使わないような下部の硬くなった茶葉も原料として使う。
- 蔵茶の特徴は一言では言い表せない。製造者毎にタイプがさまざま。
- 日本酒みたいなジャンル。蔵毎に個性が違う。
- この「甘弘」は、国家レベルの伝統技芸(蔵茶)伝承人・甘玉祥氏による新製法
- 微生物発酵はしていない
- 渥堆は従来の方法と異なり、水は加えず茶葉自身が持つ水分によって発酵させる
- 新製法の渥堆は3週間程度で終わる
微生物発酵だけが黒茶じゃないらしい
最後に
私が一番好きだなぁ~と思ったのは、蒙頂緑茶 華新露。釜入りの香ばしく軽やかな香りが良かった。中国緑茶はほかの烏龍茶等と比べると地味なイメージだけど、やっぱり香りの華やかさは美味しさを左右する大事な要素なんだと実感。緑茶も香り。
個人的には緑茶の青さは許せる
やっぱり緑茶好きだなぁ~!もっといろいろ飲みたい。今年の新茶・・・!!