A：独特の土の臭いを取り除くため、使う前に一度鍋で煮出すと良いです
新品の紫砂壺を使う前に
新しい紫砂壺には原料由来の土臭さが残っているものが多いです。そのため、未使用の紫砂壺でお茶を飲みはじめる前のお手入れが必要です。この作業は中国語で「開壺（カイフー）」といいます。具体的な方法をご紹介します。
壺を開く、ってなんかいいですよね
伝統的な開壺方法４ステップ
ステップ1：熱湯で１時間煮る
作業の目的
熱を加えることによって紫砂壺の微細な穴から出る気泡とともに土の臭いや夾雑物を取り除くことができる。
具体的な手順
- 紫砂壺がしっかり浸かる深さの鍋に水を入れる
- 紫砂壺とフタを、それぞれ鍋の中にそっと入れる
- 弱～中火でゆっくり加熱し沸騰したら弱火にして１時間煮る
- 時間がきたら火を止め、冷めるまで放置する
注意するポイント
- 鍋の油汚れはしっかり洗い落としてから！
- 沸いてきたときに鍋の中で紫砂壺がカタカタ動くのが気になる場合は、事前に鍋の底に布巾を敷いておくと安心。
- 煮出していると次第にお湯が少なくなってくるので、適宜水を足す。
- 火が強すぎると壺が割れることもあるので火加減は要注意。
ステップ2：紫砂壺の中に豆腐を詰めて１時間煮る
作業の目的
豆腐に含まれる凝固剤（硫酸カルシウム）の作用により、紫砂壺の中の残留物質を分解する。また、中医学的には「火気」を下げる効果がある。
具体的な手順
- 熱湯で煮て冷ました後の紫砂壺の中に木綿豆腐をつめる。豆腐は細かく潰してすき間を埋めるように紫砂壺の中に敷き詰める
- 再び弱火で１時間煮る。冷めるまで放置
- 中の豆腐をきれいに取り出して、紫砂壺を水洗いする
ステップ3：サトウキビと一緒に１時間煮る
作業の目的
サトウキビの糖分によって紫砂壺が潤い、しっとりと手触りが良くなる。
具体的な手順
- 鍋の中に水、紫砂壺とフタ、サトウキビを入れる
- 弱火で１時間煮る。冷めるまで放置
- 中の豆腐をきれいに取り出して、紫砂壺を水洗いする
ステップ4：好きな茶葉と一緒に１時間煮る
作業の目的
紫砂壺に茶葉の成分を染み込ませることによって、その後「養壺（ヤンフー）」しやすくなる。
具体的な手順
- 最後に自分が好きな茶葉と紫砂壺を鍋に淹れて弱火で１時間煮る
- 丁寧に水洗いして、風通しのよい場所に置きしっかり乾かす
簡略式の開壺方法
豆腐やサトウキビを準備して何度も煮出すのは正直、時間も手間がかかるので、簡略式の煮出し方法も紹介します。私はいつもこちらの方法で新しく買ってきた紫砂壺の手入れをしています。
茶葉と一緒に熱湯で１～２時間煮る
具体的な手順
- 紫砂壺がしっかり浸かる深さの鍋に水を入れる
- 紫砂壺とフタを、それぞれ鍋の中にそっと入れる
- 好きな茶葉を鍋に入れる
- 弱～中火でゆっくり加熱し沸騰したら弱火にして１～２時間煮る
- 時間がきたら火を止め、冷めるまで、可能なら24時間ほど放置する
- 紫砂壺を水洗いし、風通しの良い場所に置いてよく乾燥させる
注意するポイント
- 鍋の油汚れはしっかり洗い落としてから！
- 沸いてきたときに鍋の中で紫砂壺がカタカタ動くのが気になる場合は、事前に鍋の底に布巾を敷いておくと安心。
- 使う茶葉に迷ったら烏龍茶が無難。
- お湯が少なくなってきたら水を足す。
- 火が強すぎると壺が割れることもあるので火加減は要注意。
