中国茶の一つである紅茶について、生産エリアや代表的な銘茶、美味しく楽しむ方法などをまとめています。
中国紅茶とは?
紅茶は世界全体の生産量が最も多く、様々な国や地域で愛されているお茶です。
中国の紅茶は渋みや苦みが少ないので、砂糖やミルクを入れなくてもストレートでおいしく飲むことができます。
紅茶は品種と製法の違いでさらに分類することができます。
- 大葉種紅茶
味が濃く渋み強め、水色も深い
- 中小葉種紅茶
味が薄く渋み弱め、水色も淡い
より中国人好みなのは中小葉種をつかった工夫紅茶
- 紅砕茶(こうさいちゃ)
揉んだり切ったりして茶葉が細かく砕かれている
- 工夫紅茶(くふうこうちゃ)
揉捻などによって茶葉が条形に成形されている
- 小種紅茶(しょうしゅこうちゃ)
茶葉が条形で、松の煙で燻製されている
主な生産地は、福建省、安徽省、浙江省、江蘇省、江西省、湖北省、湖南省、雲南省、貴州省、四川省、広東省、広西チワン族自治区、台湾など。
中国紅茶の楽しみ方
中国紅茶をかんたんに飲む方法
がぶ飲みするなら、大きめのティーポットや急須に茶葉をたっぷり入れて、1~2分蒸らして。時々ふたを開けて、水色の様子を確認すると安心です。水色の濃さで味の濃さも分かります。時間よりも水色に注目するのがコツ。
中国紅茶をていねいに淹れる方法
オススメはやっぱり蓋碗です。お湯の注ぎ方次第で、同じ茶葉も全然違うお茶になります。
ゆっくりお湯を入れて待つと、深みのある上品な味わいに。茶葉に直接当てないように勢い良くお湯を入れてさーっと抽出すると、広がりのある爽やかな味わいになります。
中国紅茶をさらに楽しむ方法
熱湯ではなく70度くらいに冷ましたお湯を使ってみると、渋みが抑えられて味も香りもとっても甘くなります。リンゴみたい!日本茶でいう玉露のようなイメージです。
中国紅茶の生産エリア
主な生産地は、福建省、安徽省、浙江省、江蘇省、江西省、湖北省、湖南省、雲南省、貴州省、四川省、広東省、広西チワン族自治区、台湾など。
中国紅茶の製造工程
- 摘採(てきさい/ツァイジャイ):茶葉を摘み取る工程。一般向けの茶葉は機械を使って刈り取ることが多い。高級茶や芽茶は人力による手摘み。
- 萎凋(いちょう/ウェイディアオ):茶葉の水分を蒸発させて、萎れさせる。日光に当てる萎凋を「日光萎凋」、室内で行う萎凋を「室内萎凋」と区別している。
- 揉捻(じゅうねん/ロウニエン):機械や手を使って茶葉を揉んで形を整える工程。発酵を促し風味を高める効果がある。紅茶の場合、より強い圧をかけて揉み込む場合は揉捻ではなく「揉切」と呼ばれる。
- 転色(てんしょく/デュアンサー):茶葉の発酵を途中で止めることなく最後まで促す工程。紅茶製造時のみに使われる言葉。「転紅」ともいう。
- 乾燥(かんそう/ガンザオ):茶葉を乾燥させる。
代表的な中国紅茶の種類
祁門紅茶
- 祁門紅茶(キーマンこうちゃ / Qi men hong cha)
産地は安徽省黄山市祁門県。伝統的な中国十大銘茶のひとつ。祁紅、祁門工夫とも呼ばれる。紅茶の中では特に100年以上の歴史ある銘柄。輸出量も多い。インドのダージリン、スリランカのウバと並び、世界三大紅茶と称される。
九曲紅梅
- 九曲紅梅(きゅうきょくこうばい / Jiu Qu Hong Mei)
産地は浙江省杭州市西湖区銭塘江畔一帯。もとは福建省武夷山から伝わった製法のお茶。水色が紅梅のような鮮やかな色であることが名前の由来とも。獅峰龍井とともに「一紅一緑」といわれ、古くから西湖周辺を代表する銘茶となっている。
金駿眉
- 金駿眉(きんしゅんび / Jin Jun Mei)
主な産地は武夷山国家級自然保護区。原産は福建省武夷山市星村鎮桐木関。紅茶に値段がつかず売れなくなっていた時代を打開するために開発された。
芽の部分だけ使うことで渋みを抑え、中国的高級茶のイメージに合うお茶となった。花やフルーツのような甘い香り、味わいは透明感があって冷めると甘みを強く感じる。
正山小種
- 正山小種(せいざんしょうしゅ / ラプサンスーチョン / zheng shan xiao zhong)
産地は福建省武夷山市星村鎮桐木関。世界で初めて作られた紅茶。非常に強い燻香が特徴で、ハマる人はハマる。その香りはスコッチウイスキーや正露丸、乾燥龍眼などに例えられる。近年ではスモーキーさを抑えた飲みやすい味わいのタイプが主流となっている。
滇紅
- 滇紅(てんこう / Dian Hong)
雲南紅茶のこと。主な産地は雲南省南部および西南部。1930年代から作られ始めた比較的新しいお茶。芽の部分を使って製茶しているため金色の産毛が美しい。製法によって滇紅金針や滇紅紅碧螺(べにへきら)と名前を変える。