Q: ポリフェノールってなに?
A:ポリフェノールとは様々な植物に含まれる天然成分のこと。抗酸化作用があります。
ポリフェノールの概要とはたらき
ポリフェノールとは、植物に含まれる天然成分のことです。ほとんどの植物にはある程度含まれていて、その種類は5,000種以上にも及びます。
元々は植物が紫外線や外敵などによるダメージから身を守るためのもので、例えば虫に食われたりするとその部分に多く生成します。植物にとって新しい細胞の生成や活性化を助ける成分ですが、中には抗酸化作用など人の身体にに対して有効にはたらくポリフェノールもあります
※5,000種以上あるというポリフェノールのすべてが、人の体に有用というわけではありません
抗酸化作用とは
抗酸化作用とは、体が「酸化」することを防ぐはたらきのこと。活性酸素の働きを抑え、細胞の老化を防いで元気にしてくれます。
ポリフェノールの場合、それ自体が抗酸化剤として働くことに加えて、人の体の中にある様々な酵素を活性化ないし抑制するはたらきがあります。
体の「酸化」とは
酸化とは、物質が酸素と結合するはたらきのこと。リンゴの切り口が次第に茶色く変色する現象や、鉄が錆びるのは、酸化の結果です。
人間の体も同様で、呼吸で取り入れた酸素によって次第に酸化していきます。細胞膜の脂質が酸化すると、細胞が栄養と老廃物の出し入れをスムーズにできなくなり、しだいに細胞自身も老朽化していきます。この細胞の老朽化は、例えば目に見える範囲では、肌のシミ、しわ、たるみという形で表れてきます。
つまり平たく言ってしまうと、酸化=老化です。特に、活性酸素がこの体の酸化を進める原因の一つであると考えられています。
活性酸素とは
呼吸をすることで体内に取り入れる酸素のうち、約2~3%が反応性の高い活性酸素に変わるといわれています。特徴は、強い酸化力と殺菌力を持っていて、体内で悪い菌やがん細胞などと戦い、命を守るはたらきがあります。
ただし活性酸素は、必要以上に生成されると、体内の正常な脂質を過酸化脂質に変えてしまいます。
過酸化脂質が増えてくると、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病などを引き起こす原因にもなります。
活性酸素が増えすぎる原因とは
呼吸以外にも、紫外線、大気汚染、電磁波、放射能、喫煙、不規則な生活などのさまざまなストレスによって活性酸素は増えやすくなります。つまりは、現代の私たちの日常生活においては避けるのが難しい要因ばかりです。
人の体内には、増えすぎた活性酸素を消し去る作用を持つ「SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)」という酵素があるものの、常に様々なストレスにさらされていると体内にあるSODだけでは不足しがちだと言われています。
そのため、体の酸化(老化)を少しでも防ぐには抗酸化作用のあるポリフェノール類を積極的に摂取することで、活性酸素の増加を抑制することが有効です。
ポリフェノールの1日の摂取目安量
ポリフェノールの1日の摂取目安量は1,500mgと言われています。2009年にネスレ日本が行った調査によると日本人の平均摂取量は1,010mgと3割ほど不足しているという結果でした。
ポリフェノールの含有量と摂取のめやす
100mlあたりのポリフェノール含有量はおおむね以下の通りです。
- 緑茶:116mg
- 烏龍茶:96~171mg
- コーヒー:200mg
- 赤ワイン:230mg
ポリフェノールは水溶性なので、体内に蓄積することができません。体の中で効果を持続するのは3~4時間といわれているので、3度の食事と一緒にバランスよく摂取するのが望ましいでしょう。
お茶に含まれるポリフェノール
お茶のポリフェノールは他の植物と比べ、人の生理機能にかかわるものが多種存在しているものの一つです。
加工する前の生の茶葉に含まれているポリフェノールは4種のカテキン類です。(最も抗酸化作用が強いのは、エピガロカテキンガレート)
- エピカテキン(EC)
- エピガロカテキン(EGC)
- エピカテキンガレート(ECG)
- エピガロカテキンガレート(EGCG)
緑茶はすぐに酵素失活し、発酵させずに完成させる“不発酵茶”のため、含まれるポリフェノールはカテキンのままです。
半発酵茶(青茶など)や紅茶は、製造工程において発酵させるため、茶葉に含まれるカテキン類が酵素と反応して、ウーロン茶ポリフェノールやテアフラビン、テアルビジン等といったポリフェノールに変化します(カテキン類も一部残っています)。
参考にしたサイト
こちらのサイトを参考にさせていただきました。 (リンクは2020年9月時点)