2022年の芒種っていつ?
二十四節気・芒種について、この季節の行事や草花、食材など旬のものをまとめます。
※順次追記していきます。
芒種の時期と由来
芒種(ぼうしゅ)は小満の後に続く仲夏の季節です。
芒(のぎ)ある穀類、稼種する時也
『暦便覧』-太玄斎
- 芒種の時期:新暦6月6日~6月20日頃
芒種の「芒(のぎ)」はイネ科の植物特有の、細い毛のような部分のことを指します。芒の種・・・ということで、芒種は穀物の種をまく時期という意味です。
田植えが終わると間もなく梅雨の季節が始まります。ジメジメした日が続くので雨対策、湿気対策は万全に。
芒種の行事・イベント
種まき
二十四節気の芒種は穀物の種をまくという意味で、田植えを始める目安の時期とされてきました。ただし、現在の田植えは芒種よりも早い時期に行われているそうです。また、ナスやサツマイモなど、春に種をまいて育った苗を畑に移す時期でもあります。
入梅(雑節)
梅雨が始まる最初の日のことを雑節で入梅(にゅうばい)と言います。実際はその年の気候や地方によって梅雨入りの時期は移り変わりますが、旧暦では立春から127日目(新暦6月11日頃)と定められていました。
ちなみに、梅雨の由来は“青梅が熟し始める時期の長雨”という意味。他にも、元々は梅雨(ばいう)ではなく“カビが発生しやすい時期の長雨”という意味で「黴雨(ばいう)」と呼んでいたものが同じ読み方の「梅」に置き換えられたという説もあります。
梅雨に「つゆ」という読み方を当てるようになったのは、「露けし(=湿っぽい)」「漬ゆ(=腐る)」という言葉からきていると言われています。
父の日
2022年の父の日は6月19日!
毎年6月の第三日曜日は父の日です。父の日の発祥はアメリカ。ワシントン州のジョン・ブルース・ドット夫人が母の日にならって父の日の設立を訴え、6月に自身の父の墓に花を添えるようになったところから始まったと言われています。
1916年の第28代大統領ウッドロー・ウィルソンの演説がきっかけで広く知られるようになり、さらに50年後、36代大統領リンドン・ジョンソンが「父の日」を正式に制定すると発表、1972年にアメリカの記念日となりました。そこからヨーロッパ諸国や日本などアジア地域にも広がっていきました。
日本ではあまり浸透していないような気がしますが、母の日のカーネーションに対して、父の日にはバラを送るのがアメリカの習わしだそうです。
芒種の七十二候
芒種をさらに約5日毎に初候、次候、末候の3つに季節を分けたのが七十二候です。
第二十五候 蟷螂生(かまきりしょうず)
- 芒種の初候
- 6月6日~6月10日頃
- 蟷螂(カマキリ)が生まれる時期という意味
第二十六候 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)
- 芒種の次候
- 新暦6月11日~6月15日頃
- 蛍が光りだす時期という意味
第二十七候 梅子黄(うめのみきばむ)
- 芒種の末候
- 新暦6月16日~6月20日頃
- 梅の実が黄ばんで熟す時期という意味
芒種の草花
紫陽花(あじさい)
- 花言葉: 「移り気」「浮気」「無常」
- 開花時期:6月~7月
- 別名:四葩(よひら)※四枚の花びら、という意味
紫陽花は日本原産の花で、中国、シルクロードを経てヨーロッパに渡り「東洋の花」として人気が出たと言われています。名前の由来は諸説ありますが、「藍色が集まったもの」という意味の「あづさい(集真藍)」が語源とされています。
紫陽花の花の色は土壌の酸度によって変わるとか。一般的に酸性だと青、アルカリ性だと赤っぽくなると言われています。また、咲き始めから咲き終わりまでの間に花の色が変化していくことから「七変化」という異名もあります。
浅沙(あさざ)
- 花言葉:「しとやかな」「信頼」
- 開花時期:6月~9月
- 別名:花蓴菜(はなじゅんさい)
浅沙は池や沼に生える浮葉植物で3~4cmの小さな花を咲かせます。一日花で午前中に咲き夕方には閉じてしまいます。名前の由来は諸説あり、「浅い水辺に咲くから」であったり「朝早く咲くから」であったりと言われています。
環境破壊により一時は絶滅危惧種に指定されていましたが、その後保全が進み現在は準絶滅危惧種となっています。
珍車(ちんぐるま)
- 花言葉:「可憐」
- 開花時期:4月~8月
バラ科の高山植物。冬の間は雪の中で過ごし、雪が解ける頃に小さく白い花を咲かせます。子供の風車に見立てられたことが名前の由来と言われています。「稚児車」とも書きます。
夾竹桃(きょうちくとう)
- 花言葉:「用心」「油断大敵」
- 開花時期:6月~9月
葉は竹に、花は桃に似ていることから夾竹桃という名が着きました。江戸時代末期に中国から日本へ渡来してきました。寒さに強く都市環境にも耐えられる強さがあるため街路樹として植えられることが多いです。
身近な植物ではありますが、花、葉、茎、根など全体に毒性を持つため注意が必要です。夾竹桃の粘液を誤って口にしてしまうと命にかかわる重大な症状が出ることもあります。粘液に触れるだけでも炎症を起こしてしまうほどだとか。
露草(つゆくさ)
- 花言葉:「尊敬」「豊潤」
- 開花時期:6月~9月
- 別名:蛍草(ほたるぐさ)、藍花(あいばな)、月草(つきくさ)など
露草は古来から日本に自生していて、万葉集でも詠われるほど親しまれてきた夏の植物です。朝顔と同じように、露草の花は朝咲いて午後には萎れてしまいます。朝露を浴びて咲くため「露を帯びた草」という意味で名付けられました。花びらの青は染料にも使われます。
露草は食べることもできるそうです
桔梗(ききょう)
- 花言葉:「変わらぬ愛」「気品」
- 開花時期:6月~9月
桔梗もまた古くから日本人に親しまれてきた花で、家紋に使われたり万葉集の中でも「秋の七草」として詠われています。野生種は絶滅危惧種に指定されていますが、園芸種は広く出回っていて現在も身近な花として多くの人に愛されています。
風水では仕事運UPの花だとか
姫石楠花(ひめしゃくなげ)
- 花言葉:「危険」「警戒」
- 開花時期:6月~7月
北半球の寒冷地の湿地に咲く花で、日本では北海道中部以北で多く見られます。シャクナゲという名が着いていますが、一般的に知られているシャクナゲとは花の形が全然違います。姫石楠花はピンク色の小ぶりで壺のように丸い花が下向きに咲きます。
寒さに強い一方で、暑さと乾燥には弱い。
芒種に食べたい!旬の食べ物
とうもろこし
とうもろこしは、米、小麦と並ぶ世界三大穀物。日本へは16世紀にポルトガルから伝来したと言われています。数多くの品種がありますが、現在日本で最も生産量が多いのはスイートコーン。旬は6~9月で、炭水化物やタンパク質、脂質が豊富な栄養価の高い野菜。食物繊維も豊富なので、便秘改善効果も期待できます。
食物繊維が多いため、消化機能の弱い子供や高齢者、胃が弱い人は食べすぎに注意。
また、とうもろこしのひげ根は「玉米鬚(ぎょくべいしゅ)」「南蛮毛(なんばんもう)」という名で、漢方の生薬としても知られています。利用作用や水分代謝を促進し、むくみ改善に効果的。ジメジメした夏の湿気を体外へ排出するのにぴったりです。
トマト
トマトといえば夏野菜の代表格ですが、国産トマトが一番おいしい時期は実は春から初夏だそう。現在は様々な品種のトマトが一年を通じて手に入りやすい身近な野菜です。
赤色のもとであるリコピンをはじめ、ビタミンC、Eなど抗酸化作用の高い栄養素が豊富に含まれているため、老化防止や美肌に効果的。
オクラ
7~9月が旬の野菜。ネバネバ成分はペクチンとムチンで整腸作用があります。夏に失われがちなビタミンB、Cやミネラルも豊富で、疲労回復にも効果的。
鮑(アワビ)
アワビは「貝の王様」とも称される高級食材。一番身が大きい旬の時期は6~9月。
良質なたんぱく質やミネラルをバランスよく含んでいて高たんぱく低カロリー、疲労回復や滋養強壮に効果的です。肝機能を助けるタウリンも多く含んでいます。古代の中国では不老不死や若返りの秘薬とされていたこともあるとか。
メロン
メロンの旬は5~8月で高級果物の代表格、みずみずしい甘さが人気で夏のギフトによく選ばれます。5月に行われる夕張メロンの初競り価格は毎年注目を集めていますね。
栄養価が高く健康や美容に良い果物ですが、食べすぎには注意が必要。メロンを食べると口の中がイガイガすることがありますが、あれはメロンに含まれるタンパク質分解酵素「ククミシン」の影響によるものです。過剰に摂取するとアレルギー症状を起こすことがあります。
私の知人にも、メロンが好き過ぎてメロンアレルギーになってしまった人がいます。好きなのに食べられなくなるのは辛い・・・
参考文献
こちらの本を参考にしました。
画像は写真ACを利用しています。