2022年の白露っていつ?
二十四節気・白露について、この季節の行事や草花、食材など旬のものをまとめます。
※順次追記していきます。
白露の時期と由来
白露(はくろ)は処暑の後に続く仲秋の季節です。
陰気ようやく重なりて露こごりて白色となれば也
『暦便覧』-太玄斎
- 白露の時期:新暦9月8日~9月22日頃
白露とはその名の通り、白い露ができる時期のこと。日中はまだまだ暑さが続く時期ですが、朝晩は涼しい日が増え、その温度差で露ができやすくなってきます。
なぜ露を“白い”と表現するのはいまいちピンときませんが、これには中国から伝わってきた五行説と関係があります。五行の色体表によると、秋は金に属し、色は白です。季節の色を使って秋の訪れを表しているのですね。
単純に草の上の露が白く光って見える説も
白露の行事・イベント
十五夜
十五夜(じゅうごや)は満月の別称。特に秋のこの時期は空気が澄み、月が最も美しく見えるため、古くから特別視されてきました。
「中秋の名月」とも呼ばれ、この日に満月を眺める風習は中国から伝わってきました。奈良・平安時代には貴族たちが「月見の宴」を催しては和歌を詠み月を愛でていましたが、江戸時代頃からは庶民の間にも広がり、月見団子やすすきを供えて豊作に感謝しながらお月見をするようになりました。
現代の中国では秋と言えば中秋節が家族団らんの大事な祝日!大切な人に月餅を送り合います。ちなみに2022年の中秋節は9月10日(土)
ちなみにかぐや姫が月へ帰ったのも、中秋の名月が輝く夜だったそうです。
敬老の日
敬老の日は、長寿を祝う国民の祝日。はじまりは1951年に「としよりの日」として制定されましたが、1966年には高齢者を敬う意味を加え「敬老の日」と改名されて現在に至ります。
2022年の敬老の日は9月19日(月・祝)
以前は毎年9月15日と固定でしたが、2003年以降は9月の第三月曜日とする規定に変わり、土日と合わせて三連休になるようになりました。
敬老の日と秋分の日が近いと大型連休“シルバーウィーク”になることも!
重陽の節句
9月9日は重陽の節句。中国では、奇数は陽の数字と考えられており、その奇数の中で最も大きい9が重なる日は特に縁起が良いとして重要視されていました。
陽(の数字)が重なるから「重陽の節句」
日本では、重陽の節句は五節句の一つに数えられ「菊の節句」「栗の節句」「御九日(おくんち)」など様々な別名があります。古くから日本に伝わり、平安時代の宮中では菊の花びらを酒に浮かべた菊酒で邪気払いをしていました。
また、秋の収穫の時期とも重なるため、江戸時代頃から農村など庶民の間では栗ごはんを食べてお祝いする習慣が定着していきました。
秋社
社日(しゃにち)とは、春分の日と秋分の日に最も近い戊(つちのえ)の日のこと。秋分の日に近い秋の社日のことを秋社(あきしゃ)と呼んで区別しています。
社日の「社」とは土地の神様・産土神(うぶすながみ)のこと。秋社では産土神に収穫を感謝し、餅や収穫物を供えて参拝します。
春社におりてきた神様は秋社で天に帰ります
白露の七十二候
白露をさらに約5日毎に初候、次候、末候の3つに季節を分けたのが七十二候です。
第四十三候 草露白(くさのつゆしろし)
- 白露の初候
- 新暦9月8日~9月12日頃
- 露が白く光って見える時期という意味
第四十四候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
- 白露の次候
- 新暦9月13日~9月17日頃
- 鶺鴒(せきれい)が鳴く時期という意味
第四十五候 玄鳥去(つばめさる)
- 白露の末候
- 新暦9月18日~9月22日頃
- 燕(つばめ)が南の国へ渡っていく時期という意味
白露の草花
菊(きく)
- 花言葉:「高貴」「高潔」「高尚」
- 開花時期:8月~10月
菊といえば仏花のイメージが強く、切り花としては一年中出回っていますが、重陽の節句にもある通り日本の秋を代表する花のひとつ。
菊が仏花として定着した理由としては、その高貴な香りが邪気を払うと考えられたことに加えて長持ちする点が挙げられます。
天皇家の御紋も菊!
正式名称は「十六八重表菊」
千日紅(せんにちこう)
- 花言葉:「変わらぬ愛」
- 開花時期:7月~9月
百日紅(さるすべり)よりも開花時期が長いことから千日紅と名付けられました。秋のお彼岸の供え物として重宝されています。
紅葉葵(モミジアオイ)
- 花言葉:「温和」「優しさ」
- 開花時期:8月~9月
- 別名:紅蜀葵(こうしょくき)
北アメリカ原産の、鮮やかな赤色が美しい花。
山辣韮(やまらっきょう)
- 花言葉:「つつましいあなた」
- 開花時期:9月~11月
ゆり科の植物で、茎の先に小さな花をたくさん咲かせるユニークな形をしています。
白露に食べたい!旬の食べ物
さといも
里芋(さといも)は一株からどんどん増えていくことから、子孫繁栄の縁起物として古くから様々な祝い事で用いられてきました。
しめじ
一般的に流通しているのは人工栽培された「ぶなしめじ」。クセのない味、しっかりした歯ごたえでさまざまな料理に合わせやすい食材です。食物繊維が豊富で低カロリーなのも魅力的。
舞茸
舞茸は香り旨みがあり、歯触りもよく食べやすいきのこ。一般にスーパーで見かけるのはほとんどが菌床栽培品。原木栽培の舞茸は天然に近い味わいだそうですが、価格も高価。
免疫機能を高めるβグルカンの効力はキノコ類の中で最も高いとか。
秋刀魚(サンマ)
秋が旬の魚と言えばサンマ!青魚で不飽和脂肪酸やビタミン類、良質なたんぱく質を豊富に含む栄養価の高い食材である上に、 値段も手ごろで美味しく食べれる人気の魚です。
栗
代表的な秋の味覚のひとつ。天津甘栗はチュウゴクグリ、日本で一般的に栽培されているのはニホングリと品種が違います。チュウゴクグリは日本での栽培が適さないため、国内で見かける天津甘栗の原料は板栗(バンリ)というまた別の品種です。
参考文献
こちらの本を参考にしました。
画像は写真ACを利用しています。